2014年06月08日

お別れ録音の機種別まとめ/YAMAHA SG-1000

YAMAHA SG-1000の、お別れ録音機種別まとめ記事です。

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 ヤマハのSG-1000は重たくて弾きづらく、あまり良い印象が残ってないのでですが、ただ、このエレキには
「ほぼ全ての音に強いアタックが付く」
という特徴がある事に、手放した後に気付きました。そして、この特徴が(重すぎるという事以上に)弾きづらさの原因だったのかも知れないように思われてきたので、その点だけは書き留めておきたい。そのためやはりSG-1000のまとめページも作ります。「全ての音に強いアタックが付く」から弾きづらいというより、正確には、そういう特徴がある事に気付かずに使ってたから弾きづらかったのかも知れない、という事なのですが。

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2011年6月録音 元ページはこちら


2012年3月録音 元ページはこちら


2014年5月録音 元ページはこちら


2014年5月録音 元ページはこちら


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 以上の4ファイルが、私がSG-1000を用いて録音したものの全てです。2011〜14年の約3年間でたったの4回だけ。という事に今回改めて気付いて、少し驚いております。元はジャンク品だったのを修理し、試しにトレモロ・ユニットを載せてみたり、やっぱり取り外してみたり、というような作業をする毎にセッティングを調整し直したりと、私がSG-1000に触れてた時間はけっこう長い。だから自分の中では使用率が高かったような気になってたのですが実際は、SG-1000を録音に用いる事はほとんど無かった。そうなった理由は「重すぎて弾きにくいから」……だとばかり思ってたけれど、手放す直前の録音(上掲4ファイルの内の3番目)を後日聴き直してみたら最初に述べた件、つまりSG-1000には、
「ほぼ全ての音に強いアタックが付いてる」
という事に気付いたのです。

 その、手放す直前の録音(2014年5月)ではコンプレッサーを掛けたため、アタックが更に強調されてるという事もありますが。

 フェンダー系のエレキ(ボルト・オン・ネック)のアタックは概ねどれも速くて鋭い。そういうのも「アタックが強い音」ではあるけど、SG-1000のアタックは「重たい鈍器で殴られてるような、圧迫感のある強さ」とでも言いますか、弦を弾く(はじく)度にドスドス重たいアクセントが付いてる。フェンダー系のアタックとは異質なものです。アコースティック・ギターのようだと言えなくもない。あるいは、セット・ネックのエレキとはそういうものなか?たしかに箱エレキ、AE-2000には(SG-1000ほどではないけど)重たいアクセントが付いてる。また、弾弦の強弱による音量の変化、その大小の幅が大きい(箱エレキとはそういうものなのであって、だからこそジャズ系4ビートの4つ刻み等で重宝されるわけですが)。
 私は、AE-2000に関しては弾きにくさなど全く感じない。「箱エレキとはそういうもの」と思って扱ってるからだと思います。AE-2000のアタックはSG-1000ほどドスドス重くはないですし。

 弦を弾く(はじく)度に鈍器で殴られる系のアタックが付く、それが一番効果的に用いられてるのはウッド・ベースのピチカート奏法でしょう。あの大きなボディをフェルト・ハンマーで叩いてるかのような超低音域の打撃音が、弦を弾く度に生じてる。つまりピチカート奏法のウッド・ベースとは、バス・ドラムの役割も兼ねている。エレキ・ベースには真似できない特性ですね。尤もロン・カーターあたりから、ウッド・ベースのそういう運用法は流行らなくなったかもですが。
(エレキ・ベースはバス・ドラムと組合わせて一つの楽器扱いにするノウハウが1950年代末頃までには確立された、という事もありますし。)
 しかしやはり、アコースティック弦楽器特有の、あるいはセット・ネック型エレキならではの、超低音域の重たいアタックというのも良いものです。一音一音の輪郭が明瞭になるし、アクセントの操作がし易い。

 弾く度に重たいアクセントが付く(付いてしまう)エレキでメロディー・ラインを弾くのは、例えて言えば、墨をたっぷり含ませた太い筆で折り目正しい楷書をグイグイ書いてくようなものである。
 一方、フェンダー系ボルト・オン・ネックの、アタックが速くて鋭いエレキでメロディーを弾くのは、細くて硬いペン先の筆記具でさらさらメモ書きをするようなものである。あるいは刃物で、ものの形を彫りだしてみせるようなものである。

まああくまでも「あえて例えれば」ということですけど。

 細筆太筆、どちらも良いものです。というか、どちらかしか使えないのはちょっと困る(ただ音楽の場合は、ギター=細筆、ベース=太筆みたいな役割分担になってる面もありますけど)。ともかく、描きたいものに応じて道具は使い分けるべきだし、あるいは逆に、道具に合わせて何をどう書くかを決めるべきである。
 それで私は迂闊な事に、SG-1000が太筆型のエレキだというのに気付かず、ボルト・オンのエレキと同じつもりで扱ってた。それはつまり、墨をたっぷり含ませた太筆で細字の文書を書こうとしてたようなものだから、使いづらいのも当然です。

 だから結局「道具はなんでも、それの特性・適性をよく理解して用いましょう」という、ごく常識的な結論に辿り着くわけですけど、しかしSG-1000のアタックの強さは、ソリッド・エレキとしての常識的な範囲内のものなのだろうか?SGシリーズに対しては世間一般的にも好き/嫌い、弾きやすい/弾きにくいの評価は分かれてるようで、だから中には私と同じ理由でSGが弾きづらいと感じてる人もいるかも知れない。
 SG-1000のアタックはとても強い、という事を一度理解してしまえば、これはこれで利用価値があったかもなと思います。私自身の趣味嗜好からすると、(AE-2000とキャラが被ってる事もあり)リード・パートに用いる事はないだろうけど、単音カッティング用には良かったかも知れない。とはいえ、それ用のためだけにSG-1000を手元キープするのもどうかと思う。AE-2000、あるいはSA-2000SにハンバッカーPUを載せれば、概ね似たような音になってくれるのではなかろうか?それはいずれ試してみたいです。

ラベル:YAMAHA SG-1000
posted by ushigomepan at 15:29| Comment(0) | TrackBack(0) | お別れ録音の機種別まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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