2015年04月19日

"M"とヤマハのTXシリーズ

j010.jpg

デビット・ジッカレリ/David Zicarelliと他数名によって開発された、Mというソフト・ウェアがあります。概要は↓のリンク先を参照して下さい。
M Interactive Composer....

 このソフトと、ヤマハのFMシンセ音源モジュールのTXシリーズを組合せ、1999年に録音したファイルを4つ、ここに置いておきます。TXシリーズについてもリンクを;
ヤマハ・TXシリーズ -wiki

 約15年前のもので、細かいデータなど何も残ってません。2曲目のサックス風の音色だけはKORG Prophecyで、それ以外は全てYAMAHA TX802とTX81Zだったはずです。





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 私が初めてのパソコンを買ったのは1996年。シーケンサーはVision。これもジッカレリのソフトでしたが、他にMaxMというへんなソフトも作ってる事を知り、使ってみたくなった。しかしMaxはお値段もマックスで、興味本位で買えるようなものではない。対してMはとても安いので、こちらを買ってみた。それが1998年か99年で、ですが操作画面は↑に貼った1枚目の画像。どこをどうしろと?正直ちょっと往生しました。普通の音楽ソフトとはいろいろ違いすぎます。

 でもまあともかくデータをいくつかでっち上げ、TXシリーズの、これもすごくテキトーにエディットした音色で鳴らしてみたのですが、そのあまりのしょーもなさに我ながら失笑。しかしむしろこのダメダメな感じは記録保存しておかないと後で後悔するようにも思われ、4曲入りのミニ・アルバムの形にまとめたのです。題して;

"Cinematic Sound - JG's SPACE FANTASY"

ちゃんとCDジャケットもありますよ。これw↓

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 3分でやっつけた系の仕事ですね。音内容とよく釣り合ってると思います。アドビ・イラストレーターで作ったのだけど、この頃はまだ自分、ベジェの使い方がよく分かってなくて、しかしそれが逆に良い味を出してる……などとは流石に言えないけど、少なくとも今の自分に、ここまで割り切ったビジュアルは作れません。昔の俺GJ。今回15年ぶりに改めて見てたら、これはこれで悪くないような気がしてきました☆音の方もね!

 あれですよ、「ミニ・アルバムとしてまとめた」とか言っても、何十枚もプレスして販売したとかじゃないです。CD-Rに1枚だけ焼いて、↑の画像をプリントした紙切れをケースに入れてニヤニヤしてただけですキモいです。リアルの知り合いには1人だけ聴かせたけど、ゲラゲラ笑ってたっけかな。曲名もちゃんとあります。

1. 時の惑星
2. 火星露天風呂
3. 木星人ガン・ファイト
4. 宇宙ロシア軍

 アルバム・タイトルが"Cinematic Sound"という事で、つまりこれはB級SF映画のサントラを意識したトータル・コンセプト・アルバムなんですよ。こじつけですけど。

2.の火星露天風呂は、水温15°くらいですかね。それでも和めちゃうのが火星人。
3.の木星人云々というのはあれです、木星は重力が非常に大きいから、彼らにとってはこれくらいのテンポでも目一杯の素早さで動いてる、息詰まるアクション・シーンなわけです。
4.は、べつにロシア軍じゃなくてもいいんだけど、ソビエト映画に「不思議惑星キンザザ」という名作カルトがあって、

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不思議惑星キンザザ -wiki

私がこれを見たのは90年代の中頃。なのでこの映画の雰囲気に少しでもあやかりたく、曲名にロシアを絡めたまでの事。以上ざっくり解説しちゃったよ自分。ばかみたい。今更こんなアレを晒す必要はない。むしろ、
生!涯!封!印!
とすべき音ゴミであるが、最近になって、自分がエディットしたFMシンセの音をネットに貼っておきたい事情が生じたので公開するのです。私はTXの802と81Z、それにSY77も所有してましたが、数年前に全て手放しました。MacのOSが"7"だった頃までは、パソコンのエディター・ソフト=Visionの姉妹ソフトのGalaxyでTXをエディット出来たのだけど、それが使えなくなって以降は、かの悪名高きDX方式のパネルで操作するしかないが、そんなのは絶対にイヤだ。さらに液晶のバックライトが切れる等、ハード面にもガタが出始め、もう面倒になって放出したです。
 ハードウェア実機が使えないならソフトウェア・シンセのFMでもいい。しかし現在の私のDAW環境は古すぎて(MacOS9上のCubase5.0)、現行製品のFMソフト・シンセは使えない。そのうちDAWは総入れ替えするはずだから、そしたらFMソフトも買うつもり。

 ところが@2015年の初旬、ちょっとわけありで、FMシンセの実機を再び使う事になるかも知れない可能性が生じたのです。ただしそれはヤマハ製品ではない。ともかくそうなると、以前の自分がFMシンセで作った音を聴き直してみたくなる。それで今回の4曲。もう一度プレーヤーを貼っておきます。





 2015年4月現在、私が所有してるシンセサイザーの実機はKORG MS2000だけ。これはいわゆるアナログ・シンセというか、倍音減算方式で音を作るシンセ(のデジタル版)。それと、ソフト音源で重用してるのはNATIVE INSTRUMENTS B4 で、これは倍音加算方式のオルガン。どちらもけっこう良いものだけど、やっぱりFM=周波数変調方式のシンセも欲しい。というか自分が一番好きなのはFMかも。

 ただ、例えばいわゆるFMピアノみたいな、いかにも1980s、これぞDX!みたいな音には興味が無く、というかそういうのが大流行してた頃のヒット曲を私は殆どスルーしてたので、現在それらを聴いても昭和かよ感しか生じない。FMピアノは、私にとってはむしろダサさのサウンド・アイコンです。隠し味程度に使われてるならOKなんですけどね。FMだけでなくアナログ・シンセも、生楽器と比べると音自体の情報量が少ない。だからこそサウンド・アイコンにも成り得るのだけど、悪目立ちしやすい音なのでもありますね。

*)情報量が少ない音とは、例えばブザー音とか警笛。「発音されるコンテキスト」という面も含め、それらは環境に溶け込めない音である。もちろんシンセの音の情報量はブザーよりかは多いけど、生楽器よりかは少ない。それ故サウンド・アイコンとも成り得るし悪目立ちもする、のではなかろうか。

 ともかく、私が好きなFMシンセの音は、私自身の作例で使ってるような音です。KORG Prophecyを1パートだけ混ぜてる以外は、全てTX。リズム・パートはない、楽曲としてはまるで未完成なものだけど、TXの音の記録としてはかえって良かった。概ね、

・音程感がある、普通に楽器っぽい音=802
・ビヨ〜ンな音=81Z

という役割分担だったように記憶してます。802のエレピはプリセットだったかも。81Zは廉価な、というか4オペレータしかないチープなFMシンセだったけど、その分エディットし易いし、DX系(6オペレータ)にはない魅力があった。べつに、今回貼った作例でのエディットがこれで完璧だとか、自分では大満足してるとかではないですよ。ただ、FMのエディット方法は、これ系の音、というかつまりまあビヨ〜ンな音が、わりと簡単に作れる。その点が良いと思うのです。

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 Mというソフトについても何か書くべきかもだけど、今回UPしたようなのしか作れなかった私がMを語るのは失礼だと思う。ただ、こんなアホの子の自由研究みたいな作例にもMならではの要素は含まれてる。
・普通のシーケンサーでやろうとするとすごく大変だけど、
・Mだとマウスをちょいちょいと動かすだけで出来てしまう。
というM独自の機能があって、私の作例でも数カ所でそれを使ってる。やっぱりけっこう面白いソフトかもですね。

 最近でも似たような路線の曲は作ってるのだけど(ボスのスライサー再びTeisco TB-64)、それらはわりと普通の曲っぽく「展開させて、オチを付けて」まとめようとしてる。その「ちゃんと段取りしてますよ」な持って行き方はダサいかも。とはいえ真性のミニマルやトリップ系を作るつもりはなく(飽きるので)、かといって曲形式が整ってるのは堅苦しい。だから、そのどちらでもないものを狙うべき。Mならそれを実現できる、なんて事はないけれど、複数の素材をシャッフルしてアイディア・スケッチを得るとか、気分転換のために遊んでみるとか、そういう使い方をするには良いソフトかもですね。



posted by ushigomepan at 04:45| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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