2011年01月01日

クラギを録るテスト:1〜7のまとめ

 2010年8月28日から12月7日までの約3ヶ月間でクラシック・ギターを7パターン録ってみましたので、ここまでの成果・所感を軽くまとめておきます。

使用したマイクは3種類(SOUNDKING SKEC011SENNHEISER MD441URCA BK-5B)。
プリ・アンプも3種類(MindPrint AN/DI ProPreSonus BLUE TUBEMACKIE 1202)。
ですので、マイクとプリ・アンプの組合せ方は3×3の9通りあるという事になります。

ただし現状では、PreSonusにSENNHEISERとRCAを組み合わせるとノイズ多すぎで使えないという問題があるので、9-2=7通り。

これにマイク位置の違いを、大雑把にオン/オフの2通りに設定すると7×2=14通り。
さらに、マイク本体側に音色切替スイッチのあるもの(SENNHEISERとSOUNDKING)の設定の使い分けや、MACKIEのEQの有無。また、PreSonusのGAIN/DRIVE設定比の違い等々を組み合わせると、全部で何通りになるか……ちょっと計算が面倒なのでそれは省きますけど、とにかく機材が6台だけでも、使い方のバリエーションは何十通りもあり得るわけで、今までに録った7パターンというのはその中のごく一部にすぎません。

とはいえ現状の7パターンでもおおよその傾向は現れてるのではないでしょうか。今のところ一番良いと思われるのは、やはりというべきか、
RCA BK-5BとMindPrintの組合せ

 この録音、マイク位置が楽器から140cmという事になってるんですけど、音を聴く限り、そんなに離してるようには感じられません。ですのでメモを誤記ったか?という疑惑もあるっていう;
 しかし140cmかどうかはともかく、オフ位置である事は間違いないはず。なぜならBK-5Bでクラギを録る場合、60cm以上離さないと、ある特定の音域でマイク側にバズが発生するという不具合があるので。近づける限界が60cmで、実際には余裕を持って80cm。もう少し安全にいくなら100cm。それくらい離して録ったのは間違いない。

 この「BK-5Bにバズが出る問題」は数年前から現れ始めた症状で、気のせいかなと思ってた(気のせいであって欲しいと思ってた)。しかし今回はっきりと、距離何センチ以内でどの音域を弾いたらどうバズるかというのをチェック出来て、気のせいではないという事を確認。リボン・マイク=大音圧に弱いものではありますけど、クラギに60cm以上近づけないのはいくらなんでも弱っちすぎますんで、きっと何かの不具合が生じてるのでしょう。修理して直るのなら良いですけど、それが不可なら別のリボン・マイクを入手するなりしないといけない。鬱だ。

 とはいえ、クラギに対してのオフ位置で↑の音が録れるなら、これはこれで充分満足できるものではあります。クラギ→BK-5B→MindPrintというのは今後も多用することが予想される組合せなので、マイク位置に関しては再検証したいと思います。


私個人的に「激安系コンデンサ・マイクはクラギには不向きだしMACKIEはロック向きの音」という先入観があったんですけど、
SOUNDKINGとMACKIEの組合せ・近接
は予想外に良かったので驚いております。

 この音は演奏技術が高くてバリバリ弾き倒すタイプの人に似合うんじゃないかなあ。それとクラシック・ギターではなくマリアッチ系のナイロン弦やレキントにも良さそうだ(という事は、日本のムード歌謡系ナイロンにも似合うのか?)。実際よりもテンションの高い弦を張ったような音に録れてる(ような気がする)。行儀良く音を並べるのではなく、弦をバチンバチンとはじく感じの演出と、ボディ側のアタック音を適度にブレンドする事が、中米系ナイロンの雰囲気作りには欠かせない(って事にしておきましょうかとりあえず)。

 MACKIEは音太いという定評がありますけど、f特的に中低域が厚い云々ではなく、アタックが少し丸まってる(情報量が少ない)のと、サスティン部分に少しコンプレッションが掛かってるように思える。それが音太いという印象を生むのでは?安いラージ・ダイアフラム・コンデンサ・マイクは無駄に過敏・無駄にハイ上がりなものですが、MACKIEと組合わさる事でちょうど良いバランスになってるのかも。


ポピュラー音楽一般で言うところの「いわゆるナイロン弦の音」に一番近いのは、
SENNHEISER MD441UとMindPrintの組合せ
でしょうか。

 加納木魂#30は総単板なのでクラシック・ギターとしては申し分のない音ですけれど、コード・ストロークやボサノバのバッキングを弾くと音が厚すぎ→暑苦しくてダメ。涼しげな風がそよそよ吹いてくる感じの音は出てくれないんですね。やはりコード弾きは合板ギターが適してるのであろうか?しかし加納木魂もMD441Uで録ればこういう音になって、ボサノバ等へも適用範囲が広がってくれるのではないかという期待がございます。

 ただMD441Uは、やはり音楽用のマイクではないのかなという気もいたします。はたしてこの音は、バッキング・パートとしてオケの中に上手く馴染んでくれるのであろうか?それを検証するのは今後の課題という事で。


 ここまでの録音は全てF.ソルの練習曲ロ単調/Op.35-22を弾いたわけですけど、これだけテイクを重ねてもなお、一度たりともまともに弾けなかったというのがむしろ逆に凄いわというくらいのアレがございますわね。演奏設計もその都度ばらばら。
 もちろん切り貼り編集を厳密に行って「完成品」を仕立て上げる事は可能ですけど、今はまだマイクの立て方を試みてる段階で、編集作業に時間を掛けるのは無駄。いずれ、マイクの立て方をきちっと決められたらその後に、演奏面でも不満のないものを作り上げてみたいものだと思っております。

 ずっと同じ曲ばかりだと弾くのも聴くのも飽きてきますから、次回の録音からは曲を替えます。

 マイクの立て方によっては(とくにオフ位置の場合)環境ノイズを拾いすぎで、レコーダーとして使用してるパソコンのHDの書き込み音(カリカリ)が入ってるものまであります。この問題は機材の配置を変える/遮音壁を立てる等の工夫で改善出来るのですが、そういう事に労力を掛けるのも後回し。
 DAWでリバーブを加えたバージョンは、設定も送り量も全パターン共通です。本来は元ソースそれぞれに対して最適な設定を決めてやらないといけないなんてのは当たり前の事ですけど、これも労力低減のため簡略化してます。そういった諸々は全て「テスト段階ならではの杜撰さ」であるとご理解下さい。

タグ:F.ソル 月光
posted by ushigomepan at 15:30| Comment(1) | TrackBack(0) | マイク・テスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしい音ですね。

さらに、クラッシックギターをリボンでオフで録ってこの程度のノイズというのも驚きです。
録音の工夫等を教えて頂けると嬉しいです。
Posted by Jeeco at 2011年11月03日 23:01
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